8月1日 大阪教育大学 特別支援教育部門 今枝史雄先生に「自閉症、知的障がいの理解と支援」というテーマでご講演をいただきました。当日は、障がいのある方のご家族、支援者、学生など26名が参加され、障がいの定義を踏まえたうえで、知的障がい、自閉症スペクトラム障がいの理解と支援について学びました。
2001年に示された、「国際生活機能分類(ICF)」で障がいはその人自身の機能的な問題だけではなく、環境によってその能力は阻害も促進もされるという考え方に変わりました。特に周囲の人の行動が変わることによって、障がいによる社会的障壁は少なくなるという考え方が広まりました。
この視点を踏まえて、知的障がい、自閉症スペクトラム障がいの理解と支援について考えてみましょう。
◆知的障がいとは知的機能と適応行動に制約がある障がいです。しかし、適応行動(社会生活を送るうえで必要な力の獲得)を支援することによって、知的発達に遅れのある人は知的障がい者ではなくなります。例えばお金の計算ができないという知的機能の制約にとらわれるのではなく、必要に応じてプリペードカードで買い物をする練習をすることで、一人で買い物を楽しむという行動ができるようになるわけです。
◆また、自閉症スペクトラム障がいの特性の一つに「こだわり」がありますが、固執することそのものが悪いのではなく、それが日常生活を送りづらくすることが問題の本質です。大切なことは、障がい自体ではなくその人自身と向き合うことです。そして、障がいによってできないことではなく、出来ることを増やす支援者になることが、障がいのある方の生活の質を高めることにつながります。
ワイワイセッションでは、その一歩先にある、「障がい者」が社会参画することによって生まれる新しい価値(=多様性)を認め合い、1人1人が自分らしく輝けるような余暇活動の場を作っていきたいと改めて思いました。
次回講座(9月5日)では、障がいのあるお子さんを持つ保護者の方から生活の中での余暇活動の意義についてお話いただきます。お楽しみに♪